ライトノベル ムシウタ05 レビュー

タイトル ムシウタ05. 夢さまよう蛹
著者 岩井恭平
イラスト るろお
出版 角川スニーカー
発売日 2005年7月


執筆者:jade 評価:
人の夢を喰う代わり、寄生主に超常の力を与える“虫”が出現して10年―──
虫憑き最強の男“かっこう”こと薬屋大助は5年前に離れ離れになった姉・千晴が失踪したことを知る。失踪前に姉が残した言葉から“始まりの三匹”の一人“大喰い”が暗示した言葉を思い出した大助は姉を救うために決死の覚悟で走り出す。たとえ大助を虫憑きにしたのが、誰よりも彼に優しかったその姉だとしても───
ついに明かされる冷酷無残な死神“かっこう”誕生の秘密とは!?―──大人気シリーズ「ムシウタ」第5巻。

毎回のように新たなキャラが登場し、巻ごとに主役が入れ替わってきましたが、今回はほとんど新キャラは登場せず、主役も主人公・大助に戻りましたね。巻中で頻繁に一人称視点が入れ替わるのは相変わらずなんですが、新キャラたちのエピソードを挟む必要がなくなった分だけテンポが良くなり、その結果、ストーリーが大きく動き始めました。

いや〜、そろそろ物語が動き出すとは思っていましたが、ここまで核心に迫ってくるとは思いませんでしたよ!それに加えて終盤の虫憑きたちVS大食いのバトルをはじめ、登場キャラが自分の気持ちを剥き出しにするシーンが熱いの何の!期待以上の内容に終始ドキドキでした!
もちろん勢いに任せた熱い文章だけでなく、構成も緻密なのが著者の凄いところ。千晴が大助を虫憑きにした経緯はある程度想像できていたのですが、“大喰い”の能力までは予想できませんでしたよ。

それにしても岩井恭平氏は魅力的なキャラを躊躇無く殺しますね。これまでの例に漏れず、今回も存在感がある人物があっけなく舞台から退場してしまいました。う〜ん、序盤から死亡フラグが出ていたとは言え、個人的に気に入っていたキャラだったのでショックは大きかったです(´Д⊂

構成・展開・心理描写・台詞回しなど、を付けた1,2巻と遜色ないレベルにありましたがやや戦闘描写が物足りなかったかな。特に大喰いとのバトルの決着が不完全燃焼だった分だけ評価を下げました。それでもここ最近に発売したラノベの中では群を抜くクオリティだったと思います。
いつものように今後に期待を持たせる終わり方だったのですが、中でも終盤で大助の口からbugシリーズの亜梨子の末路を仄めかす発言が気になりました。これはムシウタ本編だけでなく、bugシリーズの行く末からも目が離せませんね。
引き続き両編ともに期待して続刊を待ちたいと思います。


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